番組では言わないこと

昭和歌謡曲はどうしてこんなに胸に沁みるのだろう?
今では若者に見向きもされなくなった歌謡浪曲の世界は実に美しい。
三波春夫の忠太郎月夜を番組でかけてみた。

残酷で不条理な母の仕打ちに、それでも主人公はやっと逢えた母を恨もうとはしない。
「責めちゃなるない、おふくろさんを、これがさだめなら」と。
母にも事情があることを自分へ言い聞かせながら。
そして瞼を閉じて子供の頃の記憶の中の優しい母を思い浮かべる。

「千両万両積んだとて銭じゃ買えない人ごころ」
の歌詞で始まる一本刀土俵入りは
命懸けで恩返しをする挫折した力士の物語である。

この心意気に、人間関係に、今の日本人が失った美しさがあるのだ。
それは、金儲けが人生の唯一の目的である今の多くの日本人と
武士道をバックボーンに生き方の美しさにこだわり義理人情を重んじる
昔の日本人との違いであると思う。

そして昭和初期の子供たちはこういった歌を聴きながら
生きていくために必要な大切なものを学んでいったのだ。
生活は貧しくても子供たちはなんと幸せだったのだろうかと思う。

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僕がいる世界のチョコレートidentityには地域の子供たちがたくさん来る。
会社員を辞めて商売のノウハウを全く持っていなかった無手勝流の僕に、
必要なお金と希望を運んで来てくれたのは地域のたくさんの子供たちだ。
だから僕は、子供たちに恩返しをしなければならない。

子供たちは流行に実に敏感な生き物だ。
彼らの持っているものにはリアルタイムに時代の最先端が反映されている。
ゲーム、漫画、テレビ番組、そんな彼らの文化を僕はここ10年近く、ずっと間近で見てきた。

「今の子供たちを取り巻く環境はなんて劣悪なんだろう」
この事実に戦慄を覚えるし、こんな世の中を作った大人の一人として
僕は彼らに謝らなければならない。

店に子供たちが集まったとき、そのグループ全員のご両親が離婚しているときもある。
R18やR15指定のゲームソフトを全員が当たり前に持っている。
その内容といえば、人を殺める、ピストルで打つ、必要以上に動物を殺める 、
モンスターをひたすら倒す、犯罪行為を仮想空間で行うなど、
アドレナリンを大量に放出させ、さらに刺激の強いものを求め続けなければ満足しない
そういった非常に危険な脳のメカニズムを作り上げる
子供の情緒破壊装置としか思えないものばかりだ。
そして、鳥肌の立つような不快な電子音に包まれて全員が一心不乱にゲームをしている。

子供たちが好む漫画には、学校で破壊行為や暴力行為をするものも多い。
ご存知でない方は是非、それらを一度読んで欲しい。
衝撃を覚える方が多いのではないか。

生きていくために何より大切な前頭葉の発達のために、
子供時代にしなければならない様々なことがないがしろにされ
電子音に包まれてひたすら戦闘行為、破壊行為、反社会的行為といった
刺激の強いゲームや検索機能の付いた携帯や漫画に囲まれている。

または、携帯からサイトへアクセスし匿名をいいことに
特定個人への誹謗中傷や罵詈雑言を吐き快哉を叫ぶ子供もいる。
匿名・つまり己の発言や行動に責任を負わなくても良い権利、
そんなものを自由自在に操ることでストレス解消を行う子供は多い。
いや多過ぎるのだ。

僕ら大人は日々進化する携帯やゲーム機などの性能にはなかなかついていけない。
しかし今の子供たちは、大人をはるかに凌駕する能力でもってそれらを使いこなしている。
そんな子供たちの能力を光景を目の当たりにして、驚かされる。
でも、子供時代にすることは、情報の検索の仕方を覚えることでも、
それらで刺激の非常に強い映像や画像や情報を得ることでもない。
両親の愛情を実感して、人と関わって、いろんな本を読んで、
自然の摂理を知って、体を鍛えて前頭葉を発達させることではないか?

そして、世の親は、教育関係者たちは、子どもたちがどんなもので
遊んでいるのかを一体どこまで知っているのだろうか?

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昭和の絵物語作家の山川惣治氏の言葉
子供たちに夢を伝えたい、美しく気高いもの、真心、愛、優しさ、誇り
勇気、知恵、忍耐、努力、正義、冒険心、
健康な輝きにあふれた夢を子供たちに伝えたい。

この言葉が身に沁みるのである。
でも、今の日本は、大人たちは多くが金儲けを人生最大の目的にしている。
金を持っているかどうかが人の評価基準になっている。
自ら命を絶つ大人が年間3万人以上いる。
金儲けのために子供たちへ劣悪なおもちゃを与えて平然としている。
自戒を込めて言うが僕もそんな大人の一員である。

そんな社会、大人たちを見て、まともな子供が育つだろうか。
子供は時代を表す鏡だと思う。
僕は三股に来て9年経ち、たくさんの子供たちと接してきたし、
そして、無表情で荒んだ目をした子供を
背筋がぞっとするような表情をする子供を、現在も毎日のように見ている。
子供が少年少女になり、目を覆いたくなるような
彼らの行動を目撃しなければならない場面もそれなりにあった。

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昭和の歌謡曲には、人生を応援しよう、人を感動させよう、
美しいものを伝えようといった願いのこもった名曲がたくさんある。
そんな曲があることをたくさんの子供たちに知って欲しい。
メロディは時代ズレして単調かもしれない。
一回聴いただけでは退屈なシロモノに思えるかもしれない。
でも、美しいものというのは時代を超えて普遍であり変わらないのだ。

日本人には、こんな美しい作法を、仕草をする人がいる。
こんな魂が震えるような感動が、真心を示してくれる人がかつてたくさんいた。
そんなものが世の中に存在することを現代の子供たちに伝えたいのである。

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または私のおります昭和カフェで古いレコードとコーヒー片手に昭和談義などいかがですか?
ブログで書くことが憚れるような意見も話しますよ。
まだ未熟者の若輩者ですがその点はどうぞご容赦ください。


投稿日時:2012.04.26(Thu) 23:12:12|投稿者:matsuyamay